「NHK俳句」のこと

画像


私は、毎週ほぼ欠かさず「NHK俳句」を視聴しております。
(Eテレ 毎週日曜 午前6時35分 )

選者は、いずれも錚々たる有名な俳人ばかりですが、やはり選者の感性や好みはいろいろです。
従って、自分の感性に合う、合わないという事は、当然あります。

画像

私は、4月から選者となられた井上弘美さんの選が、特に共感出来て参考になると思っています。

有季(1句に1つの季語を含む)
定型(5・7・5の17音を定型とする)
旧仮名遣い
詩情豊かであること
これらの事をキチンと守る作風が好ましいと思っているからです。


前回の放送で紹介された9句などは、いずれも私が素晴らしいと共感を覚えた句ばかりでした。
あまり素晴らしい句ばかりなので、私なりの解釈を記してみました。

兼題「飛花落花(ひからっか)」=春の季語。
飛花=花屑、花の塵、花筏(はないかだ)
落花=花散る、散る花、花吹雪、桜吹雪
画像

1.飛花落花島を離れる船の上
  これから島を離れる船に桜が舞い散っている。誰かの門出なのだろう。
  明るい感じの句で海の青さと桜のピンク色が、いっそう鮮やかに際立って
  感じられる。

2.散る花や水なき井戸の深き闇
  水なき井戸というから相当に古い井戸なのだろう。
  古井戸の闇の措辞から、何か凄みを感じる句である。
  井戸の闇と、真反対の明るい落花の対比が良い。
  
3.ひとところまだ来ぬ席に落花舞ふ
  まだ来ない空席のひとところが、存在感をもっている。
  その空席にしきりに花が舞い散っている。
  来ない人は、恋人なのだろうか。いろいろと想像の膨らむ句だ。

4.堂開いて落花の中の観世音
  普段は開かない堂だろうか。
  御堂が開き観世音を拝した瞬間に桜の花びらが吹き込んできた。
  落花の中の観世音には、まるで後光が射しているように思える。

5.飛花落花記憶手放す母に降る
  記憶を〝手放す″という措辞が、この句の眼目ですね。
  お母さんに対する深い愛情を感じる句である。

6.殿のチューバに映る落花かな
  チューバの金色に落花が映り込む視覚的な綺麗さに加え、
  楽器の演奏という聴覚的な効果もある句ですね。
  殿(しんがり)というから、その前方にも楽器が並んでいるのでしょう。
  いろいろ想像の広がる句だと思います。

7.落花舞ふラストランなる一両車
  ラストランと落花が、何となく響きあいます。
  一両車だから良いのですね。
  頭の中に桜の舞い散る田園風景が広がって来ました。

8.落花浴ぶ目瞑るという危ふさに
  今、作者は落花を浴びている。
  まるで目を瞑った時の危うさのような不安定な気持ちの中で。

9.落花舞ふ仔犬拾うて来し子にも 
   おやおや、仔犬を拾って来たの。誰が育てるの。
   困った子。と言いつつも、
   その子供の優しい気持ちは嬉しい。
   桜は、その子に優しく花弁をふり注いでくれているのだ。
   下5の「・・・にも」が、眼目だと思う。


井上弘美さんの講演
  ↓
https://90351113.at.webry.info/201601/article_10.html

井上弘美さんの本
  ↓
https://90351113.at.webry.info/201602/article_10.html

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 10

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス

この記事へのコメント

2019年05月02日 22:00
こんばんは~
俳句、自分では作れませんが
お話を聞くのは好きです。
4月から先生方が変わりましたね。
私は再放送の時間で見ています。
おいで頂きありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
2019年05月02日 22:07
俳句に興味がおありなんですね。
先月は、「夏井いつき」さんの俳句ライブに行って来ました。その時のことをブログにも書いておきましたが、とても話がお上手で、笑いどおしで、あっという間の2時間でした。
コメント有難うございました。またおいで下さい。