「NHK俳句(2019/05/19)」

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私が、気に入っている選者なので、記録を取っておきましょう。
選者の井上弘美さんは、講演を一度聞いたことがありましたが、大変感動的なお話でした。


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選者:井上弘美(俳人)
司会:戸田菜穂(女優)
ゲスト:大原千鶴(料理研究家)

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兼題「筍」
「たかんな」と筍は、同じ意味ですが、ちょっと古い言い方が、「たかんな」なんです。

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たかんなに闇満ちてゐる地中かな  井上弘美
土から掘り上げた筍が、とても冷たかった。その冷たい中にいる筍のことを思って、そのひんやりした感触を詠んだ句です。

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筍を掟の如く届けもす  中村汀女
筍は鮮度が大切なんです。美味しい筍を今年も、今年も、送ろうと思っているうちに、段々と負担になってきたんですね。「掟」という言葉で表したのが、とても面白いです。

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井上弘美さんの入選9句
1 これよりは熊の領分月山筍
土地の筍を詠んだのが、とても良いですね。月山は出羽三山の一つで、神の宿る山です。
筍を熊にも置いておいて、人間は人間の領分の筍を頂くという土地の人の気持ちが詠まれています。

2 筍を押し上げてゆく地力かな
地力という言葉がしっかり使えていて、迫力があります。
「上げて」「地力」と、濁音を使うと句に迫力が出ます。
シンプルだが、言葉の扱いが丁寧で、よく生きていますね。

3 筍に収まり切らぬ光かな
土から掘り起こしたままの筍でも、皮を剥いた筍でもいいと思いますが、筍自身が何か神々しいような光を放っている。外の光だけでなくて、というようなことを「収まらず」と表現したところが、大変良かったと思います。
ゲスト「一瞬、竹取物語を思い出しましたね」

4 たかんなや志士の遺墨の黒々と

「や」という切れ字を使って、「たかんな」と「志士の遺墨以下」と関係ないことを詠んだ、取り合わせの句です。
筍というのは、取り合わせが、とても難しいんです。
志士は、自らの命を投げ打って国の為にという一途な気持ちで生きる人達ですが、筍も土から出ると天まで真っすぐに伸びていきます。
そういう所をうまく取り合わせた句でした。

5 明日掘らん地下に脈打つ筍を
この句は、倒置法を使っていますね。倒置法を使うと倒置法を使った所が強調されます。
元の形は「地下に脈打つ筍を明日掘らん」ですね。
その楽しみを明日にとっておこうという気持ちがうまく表現されています。
ゲスト「ワクワク感ですね」

6 竹の子にまた躓きぬ明智越

明智越というのは、明智光秀が本能寺の変を起こす前に、山に登って愛宕山で必勝祈願をするんですが、その場所を明智越というのです。
今は、そんな鬱蒼とした急な山へ筍を取りに行く人は居ないので、筍がニョキニョキ生えている。その筍にまた躓いたという句で、ちょっと異色な句でした。

7 筍の澄ましに京の花麩かな
京の花麩がとても彩りが美しくて綺麗です。
筍は京都の名産品ですが、筍の方でなく花麩の方に京を持ってきた点も一工夫あるなあと思います。美しい句です。

8 筍を貰ふ土間なき台所
「土間なき」が面白いですね。
筍は泥が付いていますし、土間が相応しいのですが、今のキッチンは、とても明るくて美しいので、泥の付いた筍に合わないんです。
その似合わない感じを面白く詠んでいますね。

9 筍生まる太古海なる大地より
筍を詠むのに海を持ってきたという意外性があります。
筍を生む大地が、かつては海の底であって、そこが隆起して大地になったという壮大なスケールを詠んだ所が良いです。ダイナミックです。
ゲスト「字余りが効いていますね」
小さい物にこれだけの大きな時間と空間を詠み込んでいます。
「筍生まる」と言っています。俳句は今を詠みたい。
今生まれた筍に、これだけのエネルギーが蓄えられていくという時間と空間を含んでいるんです。やはり字余りの効果もありますね。

井上弘美さんの特選

一席 筍生まる太古海なる大地より

二席 筍に収まり切らぬ光かな

三席 これよりは熊の領分月山筍


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葵祭の競べ馬(上賀茂神社:5月5日)
競べ馬一騎遊びてはじまらず  高浜虚子
「一騎遊びてはじまらず」と言っていますけど、馬も面繋(おもがい)の所に、菖蒲を結び付けています。それが鬱陶しくて馬が首を振ったりするんですよ。
祭の特徴がよく詠まれている句です。
「競べ馬」が、季語です。京都の行事そのものが季語になっているんです。
これは競馬(けいば)ではダメです。神事なんです。
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この記事へのコメント

2019年05月19日 19:01
小枝さん、アメフラシ2899さん、いつも気持玉ありがとうございます。
またお越しください。
2019年05月19日 21:24
俳句は中学の時に習っただけで ・・・う~~ん
川柳は好きで ラジオで聞いたりはしますけれど
大原さんはBSで酒の肴を作られていますがとってもチャーミングな方ですね。
2019年05月19日 21:25
こんばんは‼
文学的な教養は皆無なので、まして俳句、短歌なんてめっそうもないです。
退散します。
2019年05月19日 22:35
川柳は、サラリーマン川柳等をよく読みます。
かなり面白いのが、ありますね。
大原さんは、NHK俳句の時間で、筍の煮たのを振るまっていました。美味そうでした。
2019年05月19日 22:37
俳句は、小学校の時の同級生が、始めたのでつられてやっています。
俳句の才能は、我ながらなさそうですが、何となく続けているって感じですよ。
2019年05月20日 07:53
この番組は観たことがありませんが、夏井いつきの俳句の才能査定の番組は時に観ますね。有名人の俳句を一刀両断、ズバリわかりやすく、査定、解説する番組です。
定年後、俳句にも関心を持ちましたが、結局才能なく、写真になりました。
2019年05月20日 08:34
テレビで木曜日にやっている「プレバト」の事ですよね。夏井いつきさんは、大人気で、3月に「夏井いつきの俳句ライブ」を見に行ってきました。話がとても上手で2時間笑いっぱなしでした。ああいう楽しい俳句もいいですね。私の友人にご主人が俳句を、奥さんがカメラを同時期に始めたという人がいます。趣味としては、カメラもいいなあと常々思っています。
2019年05月21日 20:50
こんばんは。私も少しはたしなみますが、奥ふかいですね。
どちらかというと短歌の方がすきです。
2019年05月21日 23:15
俳句、何年もやっていますけど、難しいです。
とても優れた句と、全くつまらない句は、分かりますが、中間の良し悪しは判断が付きません。奥深いです。
俳句と短歌は、好みと相性の問題ですからね。短歌もいいなあと思います。しかし短歌も難しいんでしょうね。
2019年05月23日 22:58
私は文才はまるっきり・・・で、俳句も和歌もまったく詠みませんが、プレバトの俳句コーナーは夕食準備をしながら見ています。
夏井いつき先生の解説を見ていると、ナルホド!と思います!
が、やっぱり私には詠めそうにありません!
NHK俳句も見始めると面白いのでしょうね!?