歴代米国大統領の評価

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現在、大阪でG20が、開かれているが、その中心にいて、その動向が最も注目されるのは、やはりトランプ大統領だろう。
彼の予測不能の言動は、常に世界を震撼させることとなる。

このトランプ大統領という人物を米国民は、どう評価しているのだろうか。
もし人気投票をすれば、史上最悪という人と、公約を守る頼りになる大統領という人と、真っ二つに分かれるのではないだろうか。

政治家の評価は、なかなか難しい。評価する人の置かれた立場によってその評価も全く変わってくるのだから。

ここに米国の歴代大統領に関する評価について、2005年ウォールストリート・ジャーナルの調査結果がある。

やや資料が古いのが、残念であるが、この調査は、単なる人気投票でなく、歴代大統領の業績・指導力・失政・過失等を、政治学・歴史学上の専門家が客観的に評価し順位付けしたものであり注目に値すると思う。

◎高評価の大統領

1位: 初代・ワシントン(1789-1797)
アメリカ建国の父。三選されたが、これを辞退。

2位
: 16代・リンカーン(1861-1865)
南北戦争を指導し、 北軍を勝利に導き、1863年、奴隷制廃止宣言を行ったことで有名。

3位
: 32代・F・ルーズベルト(1933-1945)
ニューディール政策。第二次世界大戦時のアメリカを率いるが、任期途中で急死。

4位:3代・ ジェファーソン(1801-1809)
アメリカ独立宣言の起草者。

5位: 26代・T・ルーズベルト(1901-1909)
ポーツマス条約の仲介。ノーベル平和賞を受賞。

6位: 40代・レーガン(1981-1989)
「強いアメリカ」がスローガン、東西冷戦の終焉。

7位: 33代・トルーマン(1945-1953)
広島、長崎に原爆を投下、太平洋戦争を終わらせる。

8位: 34代・アイゼンハワー(1953-1961)
第2次世界大戦の英雄。米ソ冷戦時代を牽引。

9位: 11代・ポーク(1845-1849)
この時代にカリフォルニアが、メキシコからアメリカの 領土となる。

10位: 7代・ジャクソン(1829-1837)
米英戦争を勝利に導いた英雄となり、初めての西部出身、庶民出身の大統領となった。

◎低評価の大統領
38位: 14代・ピアース(1853-1857)
北部出身であるにも関わらず奴隷制度を支持。

39位: 29代・ハーディング(1921-1923)
就任2年後に死去。死後に一連の不祥事が次々と明るみに出た。

40位: 15代・ブキャナン(1857-1861)
国が南北分裂の内戦へ進むのを防ぐための試みを講じなかったことで非難された。

◎太平洋戦争以降の大統領の評価
F・ルーズベルト(3位):ニューディール政策。第2次世界大戦の主役。

トルーマン(7位):原爆投下。

アイゼンハワー(8位):第2次世界大戦の英雄。

ケネディー(15位):キューバ危機を乗り切ったが、公務半ばで暗殺死した。

ジョンソン(18位):ベトナム戦争を拡大。

ニクソン(32位):ベトナム戦争終結。ウォーターゲート事件で辞任。

フォード(28位):ニクソンに対する一切の訴求を免除。国民に 疑惑を抱かせた。

カーター(34位): “庶民派”を標榜。人権外交を展開。

レーガン(6位):「強いアメリカ」がスローガン。東西冷戦の終焉

ブッシュ父(21位):湾岸戦争

クリントン(22位):経済復興。

ブッシュ息子(19位):同時多発テロ事件。アフガン派兵、イラクと戦争。


◎総括
・ワシントン、リンカーン、ジェファーソンの御三家の評価は常に高い。

・やはり米国はカーボーイの国。強い大統領が評価される国柄である。

・米国の国益を基準にした評価であるから、第2次世界大戦の勝利に関わったF・ルーズベルトや、トルーマン、アイゼンハワーの3者は高評価である。

ケネディー人気は高いが、業績評価となると、それ程高くはない。

・ベトナム戦争を拡大させたジョンソンの評価が、やや高すぎる感じがするが、他のどの点を評価されたのだろうか。

カーターは、イラン人質事件をはじめとして失政が多く、2期目はレーガンに大差で敗れ1期で終わっている。むしろ退任後の活躍が認められノーベル平和賞を受賞している。

レーガンは、強い大統領を体現し、東西冷戦の終焉に貢献した。就任当初は、その資質に疑問符が付いたが、結果的に大きな業績として評価されている。

クリントンの時は、比較的平和で、財政状態も良かったと思うが、評価は中程度の評価である。

・イラク戦争を起こしたブッシュ息子の評価はもっと低いかと思うのだが、思ったよりは上位にランクされている。戦争も財政状態も最悪だった筈だが。


◎オバマ、トランプをどう評価するか?
・オバマは高い理想を掲げ、常に宥和的な政策を行ったが、在位期間中の無為無策が、中国やロシアの無法な膨張主義を許す結果となっている。 
順位としては、同じくノーベル平和賞を受賞したカーターの上の33位あたりが、妥当なところではないか。

・トランプ
に関しては、中国との覇権争い、北朝鮮の非核化、イラン核問題の行方等々・・・の動向を見なければ、未だ評価はできない。
大統領の評価は、退任後の数年後に歴史が示す事になるだろう。

私の見るところでは、トランプはレーガンを目指しているのではないかと思う。
もしトランプ退任後の国際情勢が平和で、米中の覇権争いに米国有利な形で決着がついておれば、レーガンに次ぐ7位。
もし国際情勢が不穏で戦争が起きていれば、史上最悪の下品な大統領として最下位の45位とすべきだろう。
2期務めるとしても残り僅かに6年。まさかレーガンに次ぐ7位はないと思うものの、何らかの成果を残してくれないものかと、僅かな期待を以て動向を注目している。

この記事へのコメント

2019年06月29日 18:09
 現役の頃はなかなか評価が分かれてどういう人物なのか見定めがたいところもあるものですね。引退後にどういう評価になるのか、興味深い処です。
 日本の総理大臣でこれをしてみるのもまた興味深いでしょうね。
2019年06月29日 19:15
日本で報道されている内容とアメリカで報道されている内容が違うでしょうから、日本人からこの評価を見て違和感があるのは仕方が無いかも知れませんね。
トランプさんが持っている(?)シナリオがどんなものか?まだ見えないのでなんとも評価のしようがありません。
2019年06月29日 20:03
こんばんは。平和主義、や事なかれ主義はきれいですが、こういう羅権争いにまでなるとは本人もわからなかったのではないでしょうか。悪い事をゆるしてしまうと、あとから必ずつけがきます。本当の勇気は物事を平和に収めることではないと思います。今だにサイバー攻撃もまかりとおっていて、機密がどんどん漏れていますよね。
でもそうかといって、一体誰が得をするのでしょう。
複雑で私の考えはとても追いつきませんが、世の中の流れも予測できませんね。
2019年06月29日 20:35
政治家は、結果ですから。
政権にある段階では、まだ評価は出来にくいですよね。
退任後に、政策が正しかったのか否か、歴史が証明するというやつですよね。
日本の総理の評価も見てみたいですけど。
これまで1年交代だったりして、短かったので殆ど評価に値しない総理が多かったのでは直いでしょうかねえ。
2019年06月29日 20:40
日本の報道と米国の報道は、だいぶ違うらしいので、確かに我々が知らなかった評価要素もあるのかも知れませんね。トランプさんの場合は、シナリオがあるのかどうかさえ疑わしくなることがありますね。不動産の取引は得意ですが、マクロ経済の理解がどの程度なのか。
本人は、予測不能が取引に有利だと信じているらしいので、周りは振り回されるばかりです。
ほんとに評価なんて現段階では、全く持って不可能ですね。
2019年06月29日 20:46
穏便にとか事なかれ主義では、国のリーダーは務まりませんよね。ある時は毅然と正すことは正さないと。
サイバーの世界は、世界中で見えないところで、熾烈な競争をしているようですね。米国、中国、ロシア、北朝鮮、イスラエル等など、大量に人を育成して行っているらしいです。この分野の日本は立ち遅れているので、人材を育成して強化が必要だと思います。
このままでは、せっかくの技術力も外部へ洩れっぱなしとなります。