「幕末剣客秘録(渡辺誠著:新人物往来社)」

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前回は、忍者について書いたので、今回は幕末の剣客について書いてみたい。

私は、子供の頃から時代劇の殺陣などに非常に興味がありました。

たまたま高校時代の同級生に渡辺誠という作家がいて、日本刀や剣術等に関する本を著しているので、大きくその影響を受けています。

例えば、「幕末剣客秘録」という本。
非常に詳しく書いた本ですが、私から見ると真面目過ぎて、やや娯楽性に乏しい。

従って、読み方を変えて自分の興味のある箇所を摘み食いする事にしました。



江戸の3道場
幕末の江戸には、有名な大道場が3つあった。

①鏡新明智流・桃井春蔵の「士学館」(南八丁堀)
 塾頭:武智半平太

②神道無念流・斉藤弥九郎の「練兵館」(九段坂下)
 塾頭:桂小五郎

③北辰一刀流・千葉周作の「玄武館」(神田お玉ケ池)
 塾頭:坂本龍馬(八重洲2丁目・千葉定吉門下)


坂本龍馬の試合歴
①入門当初は、千葉定吉の娘「佐那」から1本も取れなかった。
 後日、足搦みで倒した。

②安政4年(1857)土佐藩鍛冶橋藩邸における御前試合
 桂小五郎は福富健次に勝って、斉藤尾三郎と引き分けた。
 龍馬は島田駒之助を破った。

③安政5年(1858)士学館での他流試合
 連戦連勝の桂小五郎と対決し、10本まで互角。
 11本目に小五郎が上段から仕掛けて打ってきたところを、諸手突きで倒した。

④文久2年(1862)萩城下で試合。
 少年剣士と試合をして3本取られ、「俺は弱いなあ」と悪びれずに言った。


近藤勇の剣の実力
・百姓だった近藤勇は、見込まれて天然理心流「試衛館」の4代目道場主とな った。
・天然理心流は、多摩の豪農の自衛の為の剣法で、「いも剣術」と揶揄された。

・江戸で流行った華美に流れる剣法に比べ、実戦本位で真剣勝負に強い。

・真剣で戦えば、維新に剣名高い直心影流・榊原鍵吉より上との評価だった。


剣士としての土方歳三
・奉公をしながら育ち、村の道場で近藤勇に稽古をつけてもらっていた。

・薬の行商をしながら、行く先々の道場で試合を申し込んだ。

・才気走った剣風。器用な剣で諸手突きが得意だった。

・「会津和泉守兼定(2尺8寸)」の引きずるような長い刀を使った。

・日野市の高幡不動に銅像があるが、二枚目で京の芸妓の間で評判だった。


沖田総司の「三段突き」
・何故か現代の女子の間で絶大な人気?

・色浅黒い男で普段は大人しく愛嬌があったが、竹刀を取ると短気になった。

・剣風は近藤に似て、かん高い掛け声を発した。

・「試衛館」の塾頭で、竹刀なら近藤より1枚も2枚も上をいった。

・太刀捌きに天才的なところがあり、十代で既に先生の扱いであった。

・得意技の「三段突き」は、3本仕掛けが1技に見える程、電光石火の早業。

・「三段突き」は、敵の変化に応じて、喉・胸・鳩尾を突く技。

・突き損じても何処かを斬る為に、刀を平らに寝せて刃は常に外に向けて突く。


新撰組と北辰一刀流
・新撰組の主流派は、近藤等の天然理心流だったが、山南敬助ら北辰一刀流も多い。

・参謀となった伊東甲子太郎の加盟後は、北辰一刀流の剣勢が増していった。

・伊東甲子太郎は、禁裏御陵衛士に任じられ近藤等と袂を分かち、暗殺される。

・伊東の遺骸を貰い受けに来た7人対、新撰組約40人が、油小路で斬り合った。

・禁裏御陵衛士側の北辰一刀流・服部武雄は切り込んでくる10余名を殺傷した。


薩摩の剛剣:示現流
・戦国時代に根付いて江戸時代を通して藩外不出の御流儀とされたのが示現流。

・「刀は抜くべからざるもの」とし、ひとたび抜くや初太刀で仕留める。

・薩摩の沈思勇猛の士風に合致。攻め一筋の虚飾なき必殺剣。

・「人斬り新兵衛(田中新兵衛)」「人斬り半次郎(中村半次郎)は示現流の遣い手。


剣豪対決:山岡鉄舟vs榊原鍵吉
・明治の剣界の重鎮の二人が、四谷の鉄舟の道場「春風館」で対決した。

・両者共に上段の構え。間合い3間。長時間対峙し、互いに礼して終わった。

・勝ち負けは付かず。引き分けか?

・剣聖とまで言われた両者。気軽に打ち合うには、互いに背負う物が大き過ぎたか。



目下のところ、私が楽しみにしているのは、来る11月3日に行われる「全日本剣道選手権大会」です。今年も熊本県警の西村英久選手が、優勝するかどうか。是非頑張って欲しいところです。

ついでに思うのは。
もし西村英久選手が、新撰組の沖田総司と竹刀で戦ったら、どちらが勝つだろうかという事を想像したりします。
・やはり沖田の「三段突き」に旗が上がるのか?
・西村が得意の「出小手」で仕留めるか?
もう、こうなると子供の頃に戻って、ワクワク感が止まらなくなってしまうのです。

この記事へのコメント

2019年07月25日 10:00
こんにちは。

面白そうな本ですね。
興味あります。
2019年07月25日 10:08
非常に面白い本です。
まじめに地道に、よくここまで調べたなというほどに、詳しく調査して書いています。時代劇ファンなら、読まずにおれない本ですね。
作者の渡辺君は、風のうわさでは、亡くなったと聞きました。
いい本を残してくれたと思っています。