スマホで電子書籍

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我が家の奥の奥に数十冊から成る英語の百科事典が眠っている。
何十年も前、私がまだ大学生で就職内定した直後に、セールスマンの口車に乗せられて購入した物だ。

ある日、紳士然としたセールスマンが実家を訪ねて来て、

「内定おめでとう!お宅の会社の新人さんは、殆どこの事典を購入しました。
人事部長の坂田(仮称)さんも勧めておられますよ。」


といったデマカセを並べて、世間知らずの私に無理やり購入させたのだ。
当時の価格で15万円くらいはしたと記憶している。初任給3万円の時代だ。

それが、デマカセだと分かったのは、入社してからの事。
給料日になると、何年も何年も、給料の1割を、泣く泣く郵便局のドブに捨てに行く羽目になった。

私は、もともと英語に弱い。この百科事典で何かを調べる為には英和辞典を引かねばならない。

入社して40年間に何度も引っ越しを経験したが、毎回毎回、何十冊もある百科事典の邪魔な事。置く場所は無いし、運ぶには重たいし。
払ったお金の事を思うと、捨てるに捨てられないし。

たまに開いて見ても、例えば、「宇宙開発」の分野では、ガガーリンまでしかカバーしていない。
まさに、無用の長物とはこの事だ。

最近は、スマホでいつでも読める電子書籍が普及している。
これは便利。場所は取らないし、何でも載ってるし。

それに比べて・・・・。
私は、私の百科事典を見るにつけ、時代遅れの自分自身を見るようで、ちょっと辛い気分になってしまう。

しかし、この百科事典め。
人の気持ちも知らないで。

今日も、明日も、明後日も。
我が家の奥の奥を何時までも、何時までも、陣取るつもりらしい。


スマホでも読める電子書籍が、更に普及すると「」という実体は、この世から姿を消すのだろうか?

・私の英語の百科事典は、極端な失敗例だと思う。本には本の良さがある。

・最近、目の疲れやすい私には、小さな電子書籍より本の方が有り難い気がする。

・本をめくる時のインクの臭いや感触。本屋で好きな本を見つけた時の喜び。

・文庫本を片手に野原で昼寝とか。やはり本でなければ味わえない何かがある。

電子書籍と本。
使途によって棲み分けをして、本と言う実体もずっと存続して欲しいと思う。


しかし、あの時のセールスマンは、何故、私が入社内定した事を知り、人事部長の名前まで知っていたのだろう。個人情報にもうるさくなかった時代だ。
そういう点でも時代を感じる今日この頃です。

この記事へのコメント

2019年07月08日 04:22
 紙媒体の書籍も電子書籍もどちらもそれぞれの良さがあることでしょう。長年本に親しんできた者にとっては、紙の本もなくなってほしくないですが、あまり重たいものを何冊も持って歩くのはタイヘンですよねえ。
秋月夕香
2019年07月08日 06:49
おはようございます。ありましたねえ。私も勿体ながら引っ越しの時主人の父である舅のむつかしい本を売り処分もしました。凄い高い本があったと聞きましたがどれかもわからず、にそくさんもんでしたが、自分がここへ来るときは一部屋八畳一間しかない、といわれて沢山本処分しました。
最近はPCで調べることができますが、最低限はおいてあります。
最近はほとんど開けてみることもすくなくなりましたが・・・。(そんな暇がありません)
世の中いつまで売らんかなの商売を続けるのでしょう。これが本だからいいのですが、プラごみや処分できないものがあふれています。
2019年07月08日 08:23
現役の頃、会社でもペーパーレス運動を何度もやりましたが、なかなか紙媒体への執着があって、徹底できなかったです。電子データで保存しているものを紙でも保管していたり。

やはり電子化されたものは、眼に見て触ることができないので、何か不安なんですよね。
間違って操作すると大量のデータも一瞬で消えますからね。

本をめくる音、インクの匂い、本屋の静かな雰囲気、本に囲まれたアカデミックな部屋・・・、やはり紙媒体は残っていくと思いますけどね。
茜雲
2019年07月08日 08:28
電子書籍、私も数冊購入し、読みました。線も引け、引いたところだけを探す出すこともでき、最初は大変重宝しました。そのうちに面倒になり、とんとご無沙汰しています。
書籍は、やっぱり本の方がいいのですが、その購入した書籍の処分に困っています。したがって最近は本屋さんでパラパラッと読むだけで、購入することは全くなくなりました。
活字から離れる生活は考えられませんが、今後どうなるのでしょう。
2019年07月08日 08:32
私は、ずいぶんと何度も引っ越しをしました。
結婚してからの引っ越しを数えてみると、9回になります。
その都度、荷物が多いし、重いし、もう大変でした。

最近は、断捨離とかいう言葉もあるみたいですが、なかなか持っている物を捨てるのは難しいですね。普段は使わず、そこにある事すら忘れていた物でも、見ると捨てられなくなります。
目をつぶって捨てるしかないんでしょうけどね。本も執着があって擦れにくいものです。

プラスチックごみは、分別して、どんどん捨てましょう!
2019年07月08日 08:38
そうですか。
電子書籍でも線が引けて、そこだけ抽出できるんですか。
聞いたところによると、ページを開く音までついているとか。
ま、インクの匂いまでは無理でしょうけど。

しかし、やはり本の方がいいですよねえ。
ただ出版業界も経営が苦しいのでしょうか。
本て高いですよね。
最近は、アマゾンの中古しか買いません。

確かに処分に困る事もあるので、図書館を多用しています。
静かな図書館の雰囲気もいいもんです。
2019年07月08日 16:03
同じような事を今は亡きうちの義父さんも・・・
長男が絵本をよく見ていたので、セールスにやって来た人に『お孫さんのために・・・』と勧められ、某有名百科事典を一式、しかも本箱付きで購入!
当の長男はその後、ますます本好きになり、時々、その百科事典で調べていたようですが、肝心の強面の義父には何故か懐きませんでした。(^o^;;;
が、幸いな事に4年遅れで生まれた次男が、義父ととても仲良しになってくれてホッとしました!
・・・てな事を思い出してしまいました。(^o^)/
宮星さんへ/としさん
2019年07月08日 18:57
そうですか。やはり義父さんも百科事典を買われましたか。営業マンは、口が上手いですからね。本箱付きなら相当に高価だったでしょうね。でもお子さんが読まれていたなら良かったですね。義父さんは、ちょっと恐い感じの人だったのですか。下のお子さんが懐いて良かったですね、