「南北戦争の時代(貴堂嘉之著:岩波新種)」

南北戦争の時代.jpg

アメリカは、早くも大統領選挙モードになっていますが、そもそもアメリカってどんな国?

勧めてくれた人がいたので、読んでみました。
この本読んで、知らなかった事にいろいろ気が付きました。

以下、感想をメモしておきます。
アメリカは、東部13州から始まって、西へ西へと順次領土を拡大し、遂に太平洋にまで到達する大陸国家となった。
例えば。
メキシコと戦争して、カリフォルニア州、ネバダ州、ユタ州、アリゾナ州、
を1,500万$で手に入れている、など。

第5代・モンロー大統領の「モンロー主義」というのは、現在トランプ大統領の主張する「アメリカーファースト」やアメリカ一国主義とは意味が違うようである。

この時代は、未だアメリカも発展途上の段階にあり、むしろ「アメリカに対するヨーロッパからの干渉を避ける」という受動的な意味を持つもののようである。

第16代リンカーン大統領は、南北戦争によって「奴隷解放」を目指していた訳ではなくて「連邦の統一回復」が目的だったらしい。リンカーンは、「もし一人の奴隷も開放せずに連邦を救えるのであれば、私はそうするであろう」と言っている。

南北戦争は、グローバルなサプライチェーンの一角として「南部綿花の供給に多大な影響を及ぼす戦争」として、ヨーロッパからも大いに注目を集めていたようである。

現在のアメリカでは、民主党がリベラルで弱者の味方という立場だと思うが、南北戦争当時は、「奴隷解放」を主導的にやったのは、「共和党の急進派」であって、民主党は奴隷解放に猛烈に反対をしていたらしい。

憲法上は、奴隷は「人権」でなく「所有物」として扱われていた。

南部の白人社会では、奴隷の所有数が階級指標となっていた。
奴隷所有階級は、白人全体の3分の1で、3分の2は奴隷を一人も所有していなかったのだが、建国後、第12代テイラー大統領までの殆どの大統領が、奴隷所有者で、奴隷主の政治家によって連邦政治が行われていた。
(訂正)リンカーンは、第16代で、奴隷所有者では、ありませんでした。

それにしても。
鞭打ち、家族の分断、教育機会の剥奪、黒人女性の性的搾取・・・等々。奴隷の扱いは、酷いものだった。

奴隷はオークションにかけられ、バラ売りされていた。従って母親、父親、子供が別の農園に売却されることも想定されていた。
南北戦争後、解放された奴隷がまずやったことは、全国を訪ね歩いて家族を探すことだった。

南北戦争は、もっぱら陸軍の戦いだと思い込んでいたが、連邦海軍の活躍も勝敗に大きく関わっていたようだ。
戦争中、北軍はイギリスやフランスなどヨーロッパ諸国による内戦への干渉を一番危惧していた。

もし南軍に対して海外からの軍事的・財政的援助がなされると、著しく北軍が不利となり、南部連合の独立が可能となってしまう。
その為に、北軍は南部と海外諸国との物資流通ルートを遮断し補給路を断とうと海上封鎖を断行。
これが徐々に効果を上げ、南部経済は混乱していった。

南北戦争における南北の被害は、予想していたより遙かに甚大だった。
1860年当時のアメリカの人口=3,100万人
南北合計の死者=63万人

北軍  死者 / 兵力  37万人/221万人
南軍  死者 / 兵力  26万人/105万人

19世紀後半を通じて、国家予算の40%が、復員兵向けの年金支出だった。

アメリカ史は建国来、南北戦争に向けて流れ、南北戦争からすべてが流れ出した。

南北戦争は、奴隷国家から移民国家へと移行するアメリカ史の分水嶺であったと言える。

しかし。それでも。
奴隷制度の根幹に根差す人種差別の撤廃は、なかなか進んで行かなかった。

内戦に勝利し、奴隷制度を解体し、南部再建に目途をつけたことで、共和党は歴史的役割を終えたと彼らは考えたのか、共和党は徐々に変質し、経済発展とともに汚職事件も度々起こるようになる。

そして共和党急進派主導のラディカルな戦後改革は瓦解し、共和党が人種平等の理念の旗を降ろして、南部社会に人種差別主義が復活するのを黙認するようになっていくのだ。

なかなかにして。
人種差別の根は、深い事を痛感せざるを得ない。

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最高の.jpg

映画「最高の人生のはじめ方」というのもあります。
題名がそっくりだし、監督がロブ・ライナー、主演がモーガン・フリーマンと、すべてが似ているので、DVD借りて観ました。
この映画は、全く違う話です。
ほっこりした良い映画だとは思いますが、ちょっと刺激がなさ過ぎて退屈でした。(★★★☆☆)


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映画「スマホを落としただけなのに」出演:北川景子、田中圭、千葉雄大
スマホをタクシーに忘れただけなのに。
・IDを乗っ取られる
・写真が流出する
・ウィールスが入る
・金銭を請求される
・不審なメールが頻繁に入る
・常に行先を監視される
・覚えのない買い物をされる・・・、等々
この映画を観てスマホを扱うのが、ちょっと怖くなりました。

IT時代の暗い側面を描いた映画ですね。
但し、映画としては、テレビの2時間ドラマみたいなもので、特に最後の30分の〝謎解き″が、ありえない話で、とても残念な映画でした。
最後の30分でガッカリでした。(★★☆☆☆)

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この記事へのコメント

薬院君
2019年11月07日 00:15
アメリカの歴史は入試にほとんど出なかったので世界史でもあまり勉強してません。イメージで知ってるつもりでしたが、としさんが書いてることに、エエッと驚くことばかりです。

リンカーンは奴隷解放の為に戦ったのじゃなかったの?
あの共和党が当時は奴隷解放を主張してたの?
南北戦争で海軍が大活躍したとは。
確かに南北戦争後でも黒人は解放されなかったな。

イヤ勉強になりました。
2019年11月07日 09:23
こんにちは

南北戦争の時のアメリカ、興味あります。
「スマホを落としただけなのに」、私も劇場で観ましたが、あんまりでしたね。
2019年11月07日 10:46
おはようございます。私は「風とともにさりぬ」」を何度も読んでいるので南北戦争の事は大体ですがしっています。

そして黒人解放のことも。物語の中に歴史が出てくるので。本当に人は人ともみなされない時代。所有物~現在の犬や猫のようなあつかい。

いえ、しかし今では猫様様、お犬様様の扱いもあり、私達よりいいあつかいかもしれません。

とにかく戦争はいやですね。生活も価値観も全てかわってしまいます。
でも人種差別がなくなるという事よい事です。

人間は勿論、すべてに対して敬意を払わなくてはならないのが人間ではないかと思います。

スマホ、の問題点ですね。作者はおそらく想像できる限りの事をかいたのかもしれません。勿論読んではいませんが、想像はできます。やはり慎重に扱わなくてはなりません。
2019年11月07日 12:22
この本読んで、知らなかったこと、気が付かなかったこと、いろいろでした。
薬院君の感想と殆ど同じです。
リンカーンのこと、
共和党のこと、
連邦海軍のこと、
意外でしたねえ。
根底にある人種差別については、なかなか根が深い問題で、
現代でも完全になくなったとは、言えないですからねえ。
勉強になりました。
2019年11月07日 12:23
「スマホを落としただけなのに」も観られたんですか。
殆ど全部の映画を観てるんですねえ。
あの映画は、最後のオチが、何ともリアリティーに欠ける話で、
ちょっとガッカリでしたねえ。
しかしスマホは、落としちゃいけませんね。
注意しようと思いました。
2019年11月07日 15:11
「風と共に去りぬ」は、本は読んでいませんが、映画を観ました。
南部の気の強い女性スカーレットを演じたビビアンリーが、綺麗でしたね。
あの頃の奴隷というのは、現在の人権意識から考えると、とんでもないことがされていたんだなと驚いてしまいます。おそらく今の犬・猫の方が、ずっと幸せな暮らしをしているでしょう。
南北戦争が、思ったよりずっと多くの戦死者を出しているのに驚きました。
アメリカも暗い歴史を経験しているんですね。
やはりどんな理由にせよ戦争は、絶対にいけませんね。つくづくそう思います。
スマホ落とさないようにしましょう。
2019年11月08日 21:30
こんばんは~
南北戦争の時代の事の知識は
風と共に去りぬの本を読んだり
映画を見たりの知識しか・・。
若い時代だったから読んだ
分厚い上下2巻を夢中で読みましたね。
いつもありがとうございます。
2019年11月09日 09:12
私も、南北戦争の頃のことは、「風と共に去りぬ」の映画を観た以外には、子供の頃に「アンクルトムの小屋」を読んだくらいで、今回の本を読むまでは、知識がなかったです。奴隷の扱い方のひどさは、現在の人権意識からは、想像も出来ないですね。あらためて、いろいろ気づかせてくれた本でした。
コメント有難うございました。