薔薇のことを勉強しました。

NHKで薔薇に関する番組を放送していました。

2年前に放送したものを再放送したようですが、もともと花に疎い私なので、この機会に薔薇について勉強してみました。


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薔薇には、現在3万種もの種類があるが、もともとの薔薇の原種は100~200種しかなかったものを、ここ200年ほどの間に世界の育種家が、人工交配や遺伝子工学の技術を使って人工的に増やしたものである。


樹系図を調べてみると現在の薔薇の基となったものは、8つの品種にたどり着く事が分かる。


薔薇は、西洋の花という印象があるが、意外にもアジアの8つの品種がヨーロッパで交配を重ねて、現在の薔薇となったもので、8つの品種のうち3品種は日本のものであった。


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薔薇の交配が広まった始まりは200年前。フランスのマルメゾン城であった。


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ナポレオンの皇后ゼフィーヌは、自然を愛し植物に造詣の深い女性であり、彼女の心を捉えたのが薔薇の花だった。


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彼女は、マルメゾン城の温室に、世界中の薔薇を集めて、学者や園芸家に薔薇の研究をさせた。彼女はこのことから「薔薇のパトロン」と称されている。


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ロサガリカ。古くからヨーロッパにあった薔薇で、イギリスでは貴族の紋章にもなっている。


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ロサエグランテリア。中東から来た品種で、黄色い薔薇は珍しかった。


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ロサブラクテアータ。フィリピンや台湾に自生する原種の薔薇。


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ロサブインディカクルエンタ。中国から来たヨーロッパにない特有の形をしていた。


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薔薇は、ギリシャ神話の時代から「愛と美の象徴」とされ、ローマ時代は、結婚式から葬式まで人生のいたるところで薔薇が使われていた。


19世紀初頭から、より美しく、より珍しい薔薇が欲しいという事で、人工交配が急速に広まっていった。


そんな中でアジアから来た「四季咲きの性質」が注目され、春しか咲かないと思われた薔薇が秋にも花をつけるという点がヨーロッパでは驚きをもって見られた。


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1867年に革命的な薔薇が登場した。

名前をLa France(Hybrid tea rose第1号)と言い、凛とした花つき、かぐわしい香り、優雅に尖った花びら、全てを兼ね備えた理想的で、まさに革命的な薔薇であった。


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樹系図で見ると、このHybrid teaの系統から殆どの薔薇が広がっており、これ以降の薔薇を、モダンローズと呼ぶようになった。


リヨンは、「薔薇の首都」と呼ばれ、育種家が多く、世界の6割の薔薇を生産していた。

当時はジャポニズムの流行もあって、日本の「野いばら」や「ハマナス」も注目されるようになった。


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野いばらには棘があることから、日本では「呪い」を表す危険な花と忌み嫌われた存在であった。しかし、背が低く、生い茂り、沢山咲く特質は、園芸種としての利点ともなった。


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1875年、La Franceの8年後に発表されたパケレットは、日本の野いばらの種がもととなっている。


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力強く、高く伸び、アーチにからみつく、野ばらは、足下から頭の上まで小さな花を咲かせる、立体的で新しい薔薇園を作り出すことになった。


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ハマナスは、暑さに弱く寒さに強いのが特徴であり、潮風に強いこともあってドイツ、デンマーク、ロシアでは好んで栽培されていた。


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ハマナスは、耐寒性が好まれ、ドイツなどで広く交配に使われることになった。パープルロードランナーは、ハマナスから出来た薔薇である。


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明治時代には「文明開化」の流れに乗って、ヨーロッパの王侯貴族や富裕層が愛好した薔薇に人気が集まり、洋館にはこぞって薔薇園が作られた。

もともとアジアが主であった薔薇が、西洋文化の象徴となったのである。



現在、京成バラ園芸で、薔薇の育成を行っている。

1品種の育成には、6~8年を費やす。

毎年20万~30万の試作品が生まれ、その中で名前が付いて世に出るのは1つか2つのみである。


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試作品(3-35-40)は、Hybrid teaの系統に属し、育成したのは、フランスのメイアンという育成家である。1945年にベルリン陥落を記念してpeaceと命名され、国際連合の初集会で「平和の象徴」として参加49ケ国の代表の部屋に1輪ずつ届けられた。


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鈴木省三。日本の育成家で、「ミスターローズ」と呼ばれ、欧米に負けない薔薇の育成に尽くした。

彼による育成種は、129品種にもおよび、海外のコンクールで多くの賞を受賞している。


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鈴木省三の育成した朝雲

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鈴木省三の育成した紫雲


佐倉草ぶえの丘バラ園
薔薇の原種を多く栽培してあり、原種やオールドローズに遡って交配する方針で育成している。

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薔薇には、青色の遺伝子が無く、「青いバラ」は、不可能の代名詞とまで言われていた。

2004年、六本木の「サントリーワールドサーチセンター」で、「青いバラ」の開発記念発表会が開かれた。


1時間の番組でしたが、薔薇の歴史について、少しだけ賢くなりました

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この記事へのコメント

2020年06月20日 00:00
こんばんは!
NHKでバラの歴史について放送されましたか。その内容を丁寧に書かれて素晴らしいですね。
バラの花は約3万種もあり、膨大ですね。どの花もそれぞれに美しいですが、世界の育種家が次々に新しいバラを生み出して凄いことです。それだけバラの花が人々に愛されているということでしょう。
2020年06月20日 01:00
こんばんは

バラですか。
私も花のこと、全然知らないんですよね。
3万種類もあるんですか。
どこかの町の人口クラスですね。
読ませていただき、色々勉強になりました。
トトパパさんへ
2020年06月20日 11:53
私は、花の名前に全く詳しくないので、Googleレンズというアプリを入れて、少しずつ覚えようとしています。
花の写真を撮ると名前を教えてくれます。
今回はバラの勉強をしました。
3万品種とは、私の町の人口より多くて、びっくりです。
ekoさんへ
2020年06月20日 11:57
花の名前が苦手な私ですから、今回は薔薇の勉強をしてみました。バラはもともとアジアの花だったとは意外でしたし、3万品種もあると知って驚きました。これ育種家達の大変な努力の結果なんですよね。奥深いなと感じました。
2020年06月20日 15:42
丁寧な説明で勉強させていただきました
「愛と美の象徴」や棘で日本では「呪い」
成程です
「青いバラ」1度は拝見してみたいです
ジュンさんへ
2020年06月20日 16:24
確かに青い薔薇は、見た事ないですよね。
遺伝子工学など、相当に難しい作業の結果なんでしょうね。育種家というのは、大変ですね。試作品を作るのに6年〜8年もかかる。年に20万も30万も作られる試作品の中で、ものになるのは、1〜2品種だけとは。
バラが好きでなきゃ出来ない職業ですね。
kimie
2020年06月20日 20:50
としさん
こんばんは。
薔薇にも歴史があるのですね。
いろいろと勉強になりました。
薔薇は愛好家が多いですね。
自宅でいろいろな種類のバラを育て、
バラ園にして開放されたいる所が
徳島でも多いです。
kimieさんへ
2020年06月20日 21:14
薔薇は、愛好家が多いですよね。我が家の近くでも、大々的に家全体を薔薇で飾っている家もあります。美しくて豪華ですが、手入れが、相当大変だろうなあと思ってしまいます。虫が付きますから気が抜けませんね。
今回、薔薇を勉強して、その歴史が少しだけわかりました。
2020年06月20日 21:19
薔薇の歴史を的確にまとめてくださって、いろいろ知ることができました。
薔薇の基になったのがアジア発で、日本のものも3種あったのですね。
嬉しくなりました。
お写真の中に旧古河庭園の建物と薔薇の花があるので、これもワクワクしましたよ。
不可能と言われる青い薔薇はまだ完成していないのでしょうか。
最近はラベンダー色のブルー系の薔薇はよく見ますね。
旧古河庭園で見たのは「シャルルドゴール」という名の薔薇でした。
つい元フランス大統領の大きな鼻を思い出してしまいましたよ(笑)

うふふさんへ
2020年06月20日 22:11
今回、私も薔薇について勉強になりました。
東京に住んでいた頃は、古河庭園や、鳩山家の音羽御殿の薔薇園などを見に行きました。
薔薇の品種は、とても多くていろいろですね。小さい薔薇が沢山絡んだパーゴラとか、立体的な薔薇園は、日本の野いばらが、原種だったのですね。ヨーロッパの花だと思っていた薔薇が、ぐっと間近に誇らしく思えて来ました。シャルル・ドゴールを調べたら、芯の部分が渦巻いた藤紫色の薔薇なんですね。
とても豪華で、かつてのドゴール大統領を思い出しました。
2020年06月20日 22:21
バラの歴史 興味ぶかく拝見させていただきました。
3万種のバラがあるのに驚きました。
私から見れば 何処が違うの?と思われる花に
それぞれ名前が付いていたりする訳が 分かりました。
より美しい 珍しいバラを求めて 競い合って
作り出された バラは 人々の 心をより 
豊かにしてくれますね。
青いバラ 見てみたいです。
ブラバーバさんへ
2020年06月20日 22:39
薔薇に3万もの品種があるとは、勿論私も知りませんでした。育種家達の苦労も大変な事がわかりました。樹系図を見ると物凄く複雑に広まって来た事が、分かります。もとをただせば、アジアの8つの原種から始まったというのも意外でした。青い薔薇は、サントリーとオーストラリアの会社が共同で完成させたようです。珍しくてとても綺麗です。出来た瞬間、感激だったでしょうね。
2020年06月24日 23:57
こんばんは。
遅くなってしまいました。
NHKの番組は見そこないましたが、
こちらでしっかり勉強させていただきました。

>ジャポニズムの流行もあって、日本の「野いばら」や「ハマナス」も
注目されるようになった。<
これは嬉しいですね。
野ばらが大好きなんですよ。
以前庭に植えていました(笑)

「愛と美の象徴」が
棘のために日本では「呪い」ですか。。。納得してはいけないですね。
可哀そう!

「青いバラ」見ました。
六本木の「サントリーワールドサーチセンター」で開かれた
「青いバラ」の開発記念発表会に行ったんですよ。
知人の紹介で。
感動しました。
なつかしく思い出しました。


ろこさんへ
2020年06月25日 08:54
コメント有り難うございます。
青いバラの発表会を見に六本木まで行かれたんですか。ホントにバラがお好きなんですね。薔薇は西洋の花とばかり思っていましたが、アジアの原種が主流で、本来はアジアの花だったんですね。野いばらを忌み嫌うなんて、もったいない事でしたね。日本も日本の良さに気が付いていなかったんですね。
小さい薔薇が沢山絡んだ背の高いパーゴラなどは、野いばらが有ったから出来たんですからね。そのお陰でそれまでの薔薇と違って、立体的な薔薇園が作れるようになりましたよね。ちょっと誇らしい気持ちになりました。