「三ツ屋清左衛門残日録(藤沢周平)」

三ツ谷清左衛門.jpg
梅雨が明けたような、明けないような、妙な気候ですが。
毎日、テレビ鑑賞、昼寝、ウォーキングで、殆どが過ぎていきます。

今日は、少し時間があったので、以前にDVD録画しておいた時代劇を観て過ごす事にしました。

「三ツ屋清左衛門残日録」という話です。
この話は、数年前に本も読み、ドラマも観た筈ですが、話の筋を見事に忘れ去っており、新鮮な気持ちで楽しく鑑賞出来ました。

主人公が、現役を引退した隠居の身分である事から、現在の自分の立場に置き換えて、何か共感する部分を感じたからかも知れません。



藤沢周平の作品は、「蝉しぐれ」「たそがれ清兵衛」「秘太刀馬の骨隠し剣鬼の爪」「武士の一分」・・等々何冊も読んでいるが、殆どは東北の小藩の貧乏武士の話が多いと思う。

貧乏だけど腕が立つというのが、だいたいのパターン。
家老が悪い奴で上意討ちを命じられるとか。
だいたいが、そんな感じだと思う。

今度の清左衛門(北大路欣也)は、案に相違してかなり裕福な武士という設定である。

殿の側用人を隠居したものの、まだまだ気力・体力を残しており、何かと世情の事が気になる。

ドラマの中では江戸と国元という表現で描かれており、藩の名は明らかではないが、御世継ぎを巡って遠藤派(善玉)、浅田派(悪玉)による跡目争いが勃発している。

清左衛門は、どうやら遠藤派に組しておるらしく、かつて鍛えた無外流の腕がなってしかたがない。藩の不正を暴く為に一役買おうというのである。

北大路欣也は、時代劇のプロらしく、やはり演技が板についている。
時代劇には、最低1回は立ち回りがあるものだが、今回は政治家を辞めて役者に戻っていた中村敦夫が、見事な殺陣を披露していた。

清左衛門の親しい友人として町奉行(伊東四朗)が、登場するが、これもなかなか良い味を出している。

清左衛門が仲人役となり謡曲「高砂」を歌い上げる場面があり、なかなかの出来であった。やはり時代劇役者は謡曲の1つも唸れないといけないようだ。

このドラマでは、やたら町奉行役の伊東四朗が、料理屋で食事しているシーンが多かった。焼きカレイ、菜の花のお浸し、赤カブ、蕗の薹、クチボソ(マガレイ)・・・季節の食材を実に上手そうに食べる場面が多い。
あれも見所の一つだったのだろう。

今回のドラマは、藤沢周平の原作でもあり、なかなか格調高かったと思う。
勧善懲悪の安っぽい2時間時代劇とは異なり、最後の最後は視聴者(読者)に想像の余地を残している。これもなかなか良かった。

それにしても時代の違いこそあるものの、退職後の過ごし方という意味では、心情的に共感できる部分がかなりあった。

曰く「仕事の愚痴を言ってるうちがハナ」という言葉やら、身につまされるシーンも多々見られた。

日残りて昏るるに未だ遠し」というのが『残日録』たる所以であるが、
これは、まさしく現在の私の心境でもあるのだから。

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