「韓国中学歴史教科書」を読んで

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韓国の子供達は、歴史をどのように教わっているのだろうか。
図書館から借りて読んだ「韓国中学歴史教科書」についてメモしておきたい。

教科書をなぞって引用しても何の意味も無いので、私にとって印象に残った点のみ、アットランダムに拾って書くことにしよう。


神話の時代
教科書に神話の時代も記載しているか否か?
「紀元前2,333年が壇君(タングン)の古朝鮮(コジョソン)建国」として記載されていた。
「壇君の古朝鮮建国は、わが国の歴史がとても古いことを物語る」という注釈付きだった。
日本で、皇紀2,600年とか言っていたのと同じなのだろう。

任那日本府
日本書紀の欽明記に記されている任那日本府は、記載されているか?
全く記載されていない。韓国の歴史には、任那日本府は存在していない。

倭寇について
倭寇の注釈には、「日本人海賊を意味する。時代によっても実態が違い、日本人とは限らない」とあった。

新羅の三国統一の評価
ある本では、新羅の三国統一を、唐にすり寄り自ら領土を狭めたと酷評していたが。
「新羅の三国統一は、その過程で唐の助けを得たという点と、大同江以南の地域に限定されたという点に限界があるが、たとえ不完全であっても、我が民族がなし遂げた初の統一である」と評価している。

高麗の評価
「高麗の初代王・太祖は、建国当初から北方進出を試み、高句麗の領土を取り戻そうと言う意志を見せた」「役人の登用法である科挙制を施行、儒教の政治思想を統治の根本理念とした」と高評価。

三別抄(さんべつしょう)の乱
三別抄が、珍島や済州島を根拠地として高麗・モンゴル連合軍と戦った事が記されていた。

この闘争のお陰で、日本への元寇が7年間遅れ、日本が防備を固める時間的余裕が出来た。この闘争が無ければ、日本の歴史も変わっていたろう。感謝!

李成桂(イソンゲ)の威化島回軍
ある本では、李王朝建国の契機となった「威化島回軍のクーデター」が、その後の李氏朝鮮による518年間の停滞した政治を招いたと酷評していたが。

「李成桂(=李氏朝鮮の初代王・太祖)は、社会矛盾の根源である乱れた土地制度を正す専制改革を主要な目標としていた」と記述している。

李氏朝鮮王朝の歴代王の評価
世宗(4代):「各分野にわたって輝かしい業績」

世祖(7代):「甥の端宗を追い出して王となった」

燕山君(10代):
「悪い王(燕山君)を廃して新しい王(中宗)が代わってたった」

光海君(15代):
「明と後金との間で中立外交政策をとったことに対して、一部の士林(サリン)派は義理と名分を掲げて、その外交政策を批判した」。
この王は、後に廃位されている。

英祖(21代):
蕩平策で老論と少論の人事の均衡を図ったことを評価。
しかし老論派の陰謀により荘献世子を米櫃に閉じ込めて殺した点までは言及していない。

正祖(22代):
蕩平策を継承し党争を避けるよう努力したことを評価。
正祖の死後、純祖が幼くして即位すると、王室と姻戚関係を結んだ、安東金氏などの外戚家門が権力を独占し、勢道政治に陥っている。

高宗(26代:大韓帝国の初代皇帝):
幼年期は興宣大院君が、成人後は閔妃が政権を握ったことを記述。

豊臣秀吉
文禄・慶長の役(1592~1593)は、倭乱として記述。
「秀吉は不平勢力の関心を外に向かわせ、自身の大陸進出の野望をなし遂げるためちょうせんを侵略しようとした」

性理学
「朝鮮王朝は、性理学を統治理念とし、これをあらゆる制度や文物を整備する基本原理とした」
性理学という単語が、頻繁に出てくるが、どんなものか分からなかった。
儒教・朱子学・道教などとの相違がよく分からないが、李氏朝鮮では仏教は迫害されていたらしい。ずっと後にカトリックが民衆の間に広まった。

用語のこと
清日戦争、露日戦争、中日戦争、北韓、南韓、などは、日本と用語が異なっている。
国によって、世界地図も異なるのだし、当然と言えば当然のことだろう。

日帝時代(1910-1945)
「民族の受難」として42頁ものスペースを割いて厳しく糾弾している。
土地の略奪、産業の侵奪、食料収奪、民族抹殺政策、物的・人的資源の収奪と、
日帝が、ありとあらゆる悪行を働いたと執拗に記述している。

断髪令
断髪令は朝鮮の近代的改革を掲げるものではあったが、韓国の伝統文化に反したものとして、反発が大きかった。

「人の身体は父母から譲り受けたものだ。これを傷つけることは不孝を犯すもので、首をはねられてもまげを切ることはできない」と反発が強かった。

「孝」を重視する儒教思想の影響と思われるが、日本でも同じようなことがあった。明治維新の際の、岩倉使節団でも岩倉は最後の最後まで髷を切るのに抵抗を感じたという。

現代の韓国では、美容整形が大流行り。伝統文化も時代によって変化する。


日鮮同祖論・内鮮一体・皇国臣民化
儒教思想は、祖先崇拝の思想である。如何にこれらの政策に反発があったかは、想像に難くない。

国債報償運動
「日本は、朝鮮の近代化のためという名目で、道路・水道施設・銀行・学校・病院などを設立したが、これに必要な施設費は、朝鮮政府が日本から借款を得て負担するよう強要した」

「朝鮮の国民は、日本の干渉からのがれるため、日本からの借金を国民の力で返すべきだということで国債報償運動が起こった。国民は禁酒・禁煙・指輪・かんざしを拠出した」

日本によるインフラ整備は、確かに朝鮮半島の近代化に寄与した筈だが、朝鮮の国民からは全く歓迎されていなかったことがわかる。

安重根の記述
義挙活動として記述。顔写真と血書も掲載されている。
韓国の英雄である。

以前にソウルに行った時には、「安重根義挙100周年」として、ビルに巨大な垂れ幕が下がっているのを見た。

従軍慰安婦
中学の教科書なので記載していないかと思っていたが、赤裸々に記述されている。

竹島
「独島は鬱陵島に付属した島で、早くからわが国の領土として連綿と伝わってきた」と記述されている。

徴用工問題
この件については、小学校の教科書にまで「強制労役に動員されるわが民族」として記載されているが、掲載された写真が、韓国人の労働者でなかった事などもあるらしく、日韓の間で物議をかもしている。


☆感想☆
この教科書を読んで、感じるのは民族の自主性、民族の誇り、民族の独立、といった言葉が、やたら目立つことだ。

物事は、片方のみの見方では、どうしても偏りがちになる。
特に歴史は双方向での見方が必要である。
なかなか困難だとは思うが、やはり双方の共同研究で事実を積み上げ、お互いに正しい歴史認識を持てないものだろうか。

何かで読んだ話であるが。
韓国の学生と日本の女子大生が、話をした際、韓国の学生が日帝の行った所業につき並べ立てて非難した場面があったそうだ。
それに対し日本の女子大生は、一言もコメントできず、ただただ、「ごめんなさい」と言って泣きだしたという。

韓国は、子供の頃から自国なりの近現代史を教科書で教えている。
我が国も事実に基づいた近現代の歴史をしっかり教えていくべきだ。
痛切に、そう感じている。

この記事へのコメント

2019年07月08日 04:24
 自国の歴史を学ぶ教科書もそれぞれお国柄がでることでしょう。ありのままに正確な記述であるべきですが、間違った記述や認識のものを学ばされるというのは、困りますね。
2019年07月08日 08:16
両国ともに事実に基づく、同じことを教えるのが理想ですが、
共通の歴史研究は、何度かやったけど不可能だという事のようですね。

日本が、「戦前の日本の歴史」を教え、韓国が「戦後の日本の歴史」を教えれば、うまくいくんですけどねえ。
秋月夕香
2019年07月08日 08:32
おはようございます。同感です。あまりにも知識がなさすぎです。といってもわたしもわかりませんが。
難しい事はさておいて、国民性は大事ですね。先日慰安婦につばを吐きかけ日本人にみせかけたのは実は韓国人だという記事を見て、ずる賢いなあ、とおもいっています。
日本人は何てことをするのだろう、バカな国民だ、と思った韓国人は多いと思います。
それでひょっとしたら喜んでいるかもしれませんね。大体あのような事に一生懸命になるのだったらもう少し建設的なん何かをみいだせないのでしょうか。それともこれは永久なくりかえしになるのでしょうか。
ためいきがでますのであまり考えないことに、あまり首を突っ込まないのが賢明かなともおもいます。
2019年07月08日 08:52
日本も日本の近現代史をしっかり教えるべきですよね。
学生の頃、日本史というと大化の改新とか、古代のことを必要以上に詳しく時間を割いて習いましたが、明治維新以降は、3学期の慌ただしい中で時間がないからとスルーしていました。
私の学校だけかと思っていましたが、成人して周囲に聞くと全国的にそうだったらしい。

これじゃいけません!
むしろ現代→近代→古代と、逆に遡って教えればいいのにとさえ思います。
重要性から言うと、むしろその方が妥当だと思うからです。

韓国の歴史を勉強していますが、確かに韓国の国民性には独特のものがあります。
大昔から中国、ロシア、日本、などに囲まれてやっていくには、あのような外交が必要だったかも知れません。
また個人の考え方については、儒教思想の影響が非常に色濃く残っているのだと思います。
例えば、独仏のような洗練された関係には、なれそうにありませんね。